NEO
非接触型の自己発電型自転車用ライト。
https://www.kickstarter.com/projects/1651132789/neo-worlds-most-powerful-friction-free-bikelight/description
ウェブ上で製品開発の資金を募集するクラウドファウンディングサイト、Kickstarterで出資が募られ、目標数の支持を集めた製品です。
品質面の問題解決に時間がかかったようで、当初予定より半年以上遅れることとなりましたが、無事完成しました。
当初予定納期:2015年12月 商品受取:2016年8月24日
非常にシンプルな構成の自転車用ライトで、カラーバリエーションの他はフロントライト、リアライトが用意されていました。
いずれの場合もフロントフォークなどのフレームにストラップで固定するだけ。
ダイナモのローラー部にあたるのが丸い発電部(結構強力な磁石が内蔵されているので注意が必要)ですが、ロゴとは反対側にゴムパッドが張ってあり、この面をリムに平行になるよう取り付けます。
サイクルコンピュータのマグネット同様、出来るだけ近づける必要があります。説明書では3mmと書いてありますが、実際にはもう少し離れていても動作はするようでした。ただ、適正な位置でないと、点灯はしても暗くなってしまう等、本来の性能を発揮できないことがあるようでした。
この発電部はロックを外すことで角度変更が可能ですが、回転させることはできません。
なので、取り付け面を逆側にしたい場合は一度発電部を取り外して180度回転させて取り付け直す必要があります。
本体部とは細い銅線でつながっているので、取り扱いには注意が必要です。
自転車との取り付けはねじ溝付きストラップを使い、本体側のダイヤルを回してストラップを閉めていきます。
ストラップは長短2種類が付属しています。
また、盗難防止用のロック機構があり、ライト下部の小さい穴に細い六角レンチを差込み内部のねじを締めることで、ストラップが外れないようにすることができます。
ちなみに本体にはスイッチがありません。つまり、単純にリムが回転すればライト点灯。止まれば消灯ということになります。
ただし若干クセがあり、一定以上の回転速度にならないと点灯しません。具体的には、小走りで自転車を引く程度で発光し始めます。
なので、それ以下の低速走行ではライトが点灯しません。
また、取り付け位置が悪いと、かなり速度を出さないと発光し出さないこともあります。
ダイナモと違いリムに接触する部分がないので抵抗や音はなく、駆動部分もないのでメンテナンスフリーという利点があります。
LEDライトとして見ると、電池がない、充電の必要がないという利点もありますね。
光量自体は十分で(公称値118ルーメン)、思ったよりは明るく点灯します。速度が遅いと輝度は低くなりますが、ある程度の速度が出ていればそれ以降は最高輝度で点灯している印象です。
NEOを利用するにあたっての注意点として、リムがアルミ製であること、という条件があります。
通常はアルミ製のリムがほとんどなので、特殊な車両以外では特に気にする必要はないかもしれませんが。
また、固定方法がシンプルなだけに、タイヤサイズが小さすぎるとうまくリムに合うよう固定できないので使用できません。
ハンディバイクのような極小径車は当然ですが、ANT(14インチ)で難しそうです。
16インチならぎりぎり使えるかも、といった感じでしょうか。
で、実際に運用してみましたが、いくつか問題もありました。
・低速走行では発光しない
・スイッチがないので、取り付けたままだと昼間でも発光することになる
・ライトの光がタイヤに当たり影になってしまう
まず、常時発光ではないというのが一番の問題でしょうか。
停車時の消灯はいいとしても、走行時に点灯しないことがあるのは安全上問題があります。
昼間でも発光するのは、電池がないとはいえこれまた気になります。かといって、いちいち外すのも面倒だったり。
固定バンドはねじ込みタイプなので外すには時間もかかりますし、取り付け位置の調整も必要なので気軽に着脱できるものとは言えません。
対処方法としては、発電部のみリムから遠ざけるように傾けて発電できないようにするという方法はありますが、点灯させる際にはまたリムとの距離を調整する必要があるのでやはりちょっと手間ではあります。
せめて、ワンタッチで着脱できるような構造のマウンタにするか、あるいはやはり電源スイッチが欲しかったですね。
光量は十分なのにタイヤに当たって影になってしまいそれを生かしきれないというのも残念なところ。
しかも発光部の角度調整がほとんどできないので(左右への角度調整は可能ですが、それを行うと発電部まで回転してしまうのであまり動かせません)、どうにも回避できません。
まぁ、リムやスポークに光が当たるため、側面から見た場合の視認性は悪くなさそうでした。
製品コンセプトから外れることになりそうですが、一番使い勝手がいいのは、リムでの発電で内蔵バッテリーを充電し、そのバッテリーでLEDライトを点灯する、という構造のようにも思えてしまいます。
どういう形を目指すにせよ、非接触発電自体は十分魅力を感じる機構でしたので、今後の製品としてのブラッシュアップに期待したいところです。
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Tags: Kickstarter, サイクルパーツ, レビュー
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