最終更新日:2004/09/30
〜ドールアイの発光〜

ドールアイを使用した人形の写真を撮影する際に困るのが、目の部分が暗くなってしまう点。 他の部分よりも奥まっていますから仕方ないといえばそれまでなんですが、常にライティングに気をつかう必要があったりと何かと不便です。
グラスアイを使用すればアクリルアイに比べ若干の改善はできますが、それでも完全に解決できるわけではありません。

その1つの対策となりそうなのが、「ドールアイにLEDを仕込んで発光させる」という方法。 目が自ら光ってくれれば確かに暗さで悩むことはなさそうです。

というわけで、ミニSDのアクリルアイで試してみました。
材料は白色のLEDx2、ボリューム抵抗、抵抗、電池ボックスなど。 一番高いのがLEDで、1個200円〜400円しますが、まあ全部で1000円ちょっとでしょうか。
回路自体は非常に単純ですから、ある程度の知識があれば悩むこともないでしょう。

問題は電池ボックス。 スペースを小さくする関係もあって小さなボタン電池3つを使うわけですが、これにちょうど合うようなものは売ってません。
とりあえず今回は太さが同じな単5用の電池ボックスを切断して適当に長さを整えました。 それを基板のカバーにねじ止めして固定。

これらを頭部のカバーにねじで固定します。
回路は単純なので、基板も非常にコンパクト。
もうちょっときれいな穴を開けたいところだったんですが… 一応基板上にもスイッチを付けてありますが、このままではLEDのON/OFFの度に頭部を開く必要があるので、後頭部のプレート部分にスイッチのレバーが少し出るよう取りつけました。

ここなら目立ちませんし、プレートを貼りつければスイッチを隠すこともできます。

アクリルアイを前後で2つに分け、中にLEDを仕込みます。
そのままでは頭の中に光が漏れてしまうので、アイの後ろ側は銀色で塗装し、光を前面に反射するようにします。

また、アクリルアイの場合はグラスアイに比べて明るくなりがちなんですが、ボリューム抵抗のほかに、中に紙をはさむことで明るさの調節は可能です。
今回は薄いメモ用紙を丸く切ったものを2枚、さらに厚紙を半円形に切ったものを2枚はさんでいます。 半円にすることで目の上半分を暗くして若干自然な感じになるんじゃないかな、ということで。

また、黒目の部分まで光ってしまうとこれも不自然になってしまいますので、内側にワッシャーを貼りつけてみました。 センターに穴が開いていますが、これでちょうどいい明るさになっているようです。

このほか、LEDの発光を分散させるためのLEDカバーを使ってみました。 効果のほどは…?ですけど。

ドールアイ分解図。
LEDに関してはいくつか注意が必要です。
  • 白色LEDは電圧が落ちると発色が変わる。
    光量を調節するためにボリューム抵抗を使って電圧を変化させているわけですが、電圧を落として暗くすると、光が白色ではなくなってしまいます。 こちらで確認したところ、200円の高輝度タイプのものは緑色っぽくなり、400円のものだと若干青っぽくはなりますが200円のものに比べると色の変化は少ないようでした。

  • LEDの光量には個体差がある。
    今回の回路では2つのLEDを並列に接続して1つのボリューム抵抗で光の調節をしていますが、同じLEDとはいえ若干バラつきがあり、左右で明るさが異なる場合もあります。 あまりにも差が大きい場合は、ボリューム抵抗も左右2つ分用意した方がいいかもしれません。

  • LEDの発光は指向性が高い。
    LEDは電球とは違って全方向にまんべんなく光るわけではなく、真上方向に一番強く発光します。 なので、そのままでは黒目の部分が一番明るくなってしまいます。
    黒目の裏側には厚紙などを貼っておくといいかも。
下が通常の状態で、上が発光状態。 さて、実際に発光させてみるとこんな感じです。
内側から光っているため、若干の不自然さはありますね。

どちらかというと薄暗いところで発光させるよりも、それなりに明るいところで発光させたほうが写真写りはいいように感じます。 …暗いところで光らせると、ちょっと怖いですし。


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