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a t a S l i m 2  -SUPER SLIM PDA-
最終更新日:2005/08/23

シチズンといえば時計メーカーとして有名ではありますが、PDA方面でも色々模索をしているメーカーです。

データースリムシリーズは何よりも携帯性を重視しており、PCとの接続にもケーブル類を必要としなくて済むようTypeII-PCカード規格に収まっているのが最大の特徴です。 同じコンセプトのPDAとしてはIBMのチップカードシリーズがありますが、こちらの方が新しい製品である分、使い勝手やPC上での取り扱いなど完成度は高いように思います。

操作性の面では、データスリム2ではタッチパネル方式を採用したことで大幅に改善されました(初代のデータスリムでは5つのボタンでしか操作できませんでした…)。
内臓アプリはスケジュール、アドレス帳や電卓、各種辞書など一通りのものは押さえてあり、さらにアドインという追加アプリをPCから転送することで手書きメモ、関数電卓、ゲームなども利用することができるようになります。

とにかく軽量、コンパクトということで、持ち運びに困らないのが最大の利点ですね。
サイズの制約から来る基本性能の低さはありますが、PDAとしての実用性は十分備えています。

DataSlim2 液晶は大きめで、くっきりと見やすい印象。 角度によって見づらくなる、ということも少ないです。

液晶サイドにはハードウェアスイッチが5つ並んでいます。 1番上のがホームボタンで、長押しで電源ボタンも兼用します。

液晶下のシルクボタンは、ホームメニューにある各アイコンが描かれており、いちいちメニューに戻らなくても、ほかのアプリから直接別のアプリを起動できます。 初期のMIザウルスのような感じですね。
半角入力
全角入力・漢字変換
文字入力は、画面上に表示されているキーボードをタップすることになります。 直感的な操作が可能なので、操作性はそう悪くはありません。
ただし日本語入力となると別で、かなを入力するモードではキーボードが50音順のものになってしまうので、逆に戸惑ってしまいます。 漢字への変換も、変換候補の表示が遅い、辞書が貧弱など粗が目立ちます。

このへんはちょっと残念です。

DataSlim2背面。電池ブタを開けたところ。 背面。
動作電池はコイン型電池2個。本体左側面に電池スロットがあります。 これを開けるにはちょっとコツがあり、ピンなどでフタを外側に押し出してやりながら開く必要があります。
電池の持ちはいいとは言えません。 でもまぁ、そう使用頻度が高くなることもないので、仕様どおり2ヶ月程度で電池交換が必要、と思っておいていいでしょう。

電池スロットの反対側右上には、リセットスイッチが。

ほほえみくんとドッキング PCとの連携は、デスクトップ用にUSB接続のリーダーも用意されていますが(今回入手したものには付属しておらず)、転送速度は遅め。 PCMCIAスロットでの接続はモデムカード扱いとなっているので、設定にクセがあるのも気になるところです。

ちなみに、本体の電源を入れておかないと転送できないようで、PCとの接続時にはオートパワーオフ設定を切っておいた方がいいかも。 途中で転送できなくなってしまうので。

右下のランチャー風のものが「Intellisync for DataSlim2」 専用ソフト「DSTools」と「Intellisync fot DataSlim2」。
前者はファイルを指定しての転送、削除。後者は他のソフトとのシンクロが可能。 スケジューラー、アドレス帳などは付属のロータスオーガナイザー2000との連携のほか、プラグインをインストールすればネスケやアウトルックのメールをとりこむこともできるようになります。

ただ、メモやアドインなどの一括バックアップ機能がありません。 コマンドラインで手動で行えばできなくはないようですが…面倒ですね。

アドインメニュー アドインは公式のものに加えて、ユーザーが作成したものも公開されています。 が、開発環境が公開されなかったからか、いまいち国内では盛り上がらなかったようです。

「国内では」というのは、実は海外では「REX」という名前でデータスリムが販売されており、そちらではユーザーがアドイン開発支援キットを公開していたようで、国内よりも多くのアドインが作られていたらしいです。
しかしREX用のアドインはそのままではデータスリムでは動作しません。 変換ソフトを通せばアドインによっては動作するようになるらしいです。

専用ケースとスタイラス 付属のケースとスタイラス。 …正直使いにくいです。
PCカード用のプラスチックケースや名刺入れに入れておいた方が、まだ使いやすいかも。
外箱 外箱。
なんかごちゃごちゃしてて、あまり高級感は感じられません。 まぁ、安価でお手軽なPDAという位置付けだったんでしょうから、これで間違ってはいないのかもしれないですけど。
外箱裏面 外箱の裏側。
簡潔な特徴と仕様、内臓アプリの画面写真を掲載。 小ささ、多機能さをウリにしていますね。

ちなみに、マニュアルは簡単なインストールガイドの他はPDF形式のオンラインマニュアルとなっています。

外箱裏面・その2 内臓アプリの紹介。

アドレス帳はロータスフォーマットに沿ったもの。 DataSlim2での日本語入力は快適とは言いがたいので、PC上で入力することになります。

カレンダーは予定などをメモ書きすることが可能です。 表示は日、週、月単位での表示が可能。

ToDoリストは優先度などを設定して用件をリストアップするという単純なもの。 カレンダーなどとのデータ連携はないようです。

メモ帳はDataSlim2上での入力のほか、PC上のテキストファイルを取り込むことも可能です。 フォントサイズは12ドット固定ですが、それなりに見やすいです。

国語/英和/和英辞典(旺文社監修)。標準で入っているのはうれしいですね。 メモ帳などでコピーして、それをペーストして検索ということもできます。

電卓はごくシンプルなもの。もちろん三角関数演算などは不可です。

世界時計は2都市を設定してそれぞれの現在時間を表示します。 夜の部分をメッシュ表示しますが、この表示にはちょっと時間がかかります。
ホームメニューでは、このアイコンに時刻が表示されます。

設定メニューでは、タッチパネルの調整、日付形式、音設定、オートオフ、パスワード設定、メモリ使用状況確認などが可能です。 アラーム設定もこちらで行います。
DataSlim2の仕様
表示ハイコントラスト240x120ドットモノクロLCD
16桁x7行(12x12ドット文字表示(全角))
36桁x7行(6x12ドット文字表示(半角))
記憶容量ユーザーエリア 1MB
インターフェースPCMCIA 2.0(JEDA 4.1)I/Oカード仕様
電源動作電池 CR2016リチウム電池2個
(1日5分で約2ヶ月使用可能)
大きさ85mmx54mmx5mm(PCMCIA TypeIIサイズ)
重量35g(電池含む)
製品内容 DataSlim2(本体)
専用ケース
専用ポインター
インストールガイド
ソフトウェアCD-ROM(1枚)
保証書(ユーザー登録カード)他
収録アプリケーション シンクロナイズドソフト「Intellisync for DataSlim2」(プーマテクノロジー株式会社)
専用PIMソフト「オーガナイザー2000製品版」(ロータス株式会社)
DataSlim2用ユーティリティソフト「DSTools」
オプション ドッキングステーション(JS11)
USBカードリーダー(US10)
関連リンク
  • データスリム2・公式サイト
     各種アドインソフトのほか、アップデーター、アドイン開発キットなどのダウンロードも可能。
  • うきゃうきゃひらく
     DOSプロンプトでの全データのバックアップ、復元方法など。
  • Junk Shop
     現在Web上で公開されているアドインソフトの一覧。海外版であるREX6000用のアドインを動作させる方法も。


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